腰椎分離症
腰椎分離症とは、椎骨の上下関節部での骨性連結が欠如したものを指し、腰椎の関節突起間部に生じる疲労骨折である。腰椎分離症では、上下関節の分離部を包む関節包や隣接する椎間関節の滑膜の炎症により疼痛を生じるが、無症状の場合もある。腰椎分離症は体幹運動の多いスポーツ選手に好発し、腰仙部の安定性や脊柱の適切な運動を行われていない症例において、腰椎前弯位での回旋運動を繰り返すことにより、椎間関節部に負荷が加わり、発症する。回旋ストレスにより不安定性が増強すると、分離症と椎間関節部へのメカニカルストレスが増加し、片側性の骨折が生じる。長期の回旋ストレスが加わり続けると、最終的に両側性の腰椎分離症へ移行する。
*1より引用
腰椎分離すべり症
腰椎分離すべり症は、関節突起間部を横切る椎弓の分離により、上位椎体が下位椎体上面の傾斜に沿って前方へすべる症状である。腰椎分離症が存在しても靭帯性の連絡が保たれている場合、機械的な不安定性はなく、症状は無症状の場合もある。靭帯結合が欠如している場合には、腰椎分離すべり症に移行し、靭帯のストレスが加わることによる腰痛や神経根圧迫症状を生じる。好発部位はL5~S1であり、下位の椎体や仙骨底が床に対して前傾するほど、上位の椎体は前方へのすべりを生じる。
椎体の構造は下の図でご確認ください。
*2より引用
競技により起こりやすい障害
自転車競技は体幹の屈曲姿勢が続くため、椎間板に対する圧縮力がかかる時間が長くなり、腰椎椎間板ヘルニアのリスクが高まる。
フィギアスケートや新体操のような、体幹の大きな伸展角度が要求されるような競技では、高得点を目指して体幹の過伸展動作を繰り返すことで、椎弓や椎間関節に負荷がかかり、腰椎分離症や脊柱菅狭窄症を引き起こすリスクが高まる。
腰椎分離症は、一般成人には腰痛の原因にはなりにくいとされているが、特に発育期のスポーツ選手では、腰痛の主因になるケースが多い。
*3より引用
ピラティスがオススメな理由
ピラティスはTHE STUDY OF MOVEMENTと言われるように動作学習を運動の中で行なっていきます。姿勢や動作分析を行い、一人一人の筋バランスを確認していきます。100人いたら100通りの姿勢があるように、エクササイズを行う際は、その方に合わせた指導が必要になります。ピラティスにおける静的・動的な運動制御の最適化アプローチはスポーツ障害の予防に役割を果たします。ピラティスでよく言われる骨盤のニュートラルポジションは脊柱の構造的安定性を確保する上で、最もリスクの低い肢位であるので、まず骨盤のニュートラルポジションを取れるよう指導をして行きます。
姿勢分析
動作分析
オススメのエクササイズ
コアアラインでのアラベスク
- 股関節周りの筋バランスの調整
- バランス能力と協調性の向上
- 肩関節の安定性、肩甲骨の動きの教育
リフォーマーでのコントロールフロント
- 体幹の安定性
- 肩関節の安定性、肩甲骨の正しい動きの教育
- 頭部の位置の調整
リフォーマーでのロールバック
- 脊柱の柔軟性の向上
- 体幹の強化
この3つのエクササイズは、ピラティスのマシンを利用したエクササイズです。骨盤のニュートラルポジションと胸郭のポジションを正しく確保した上で行うので、体幹のインナーユニット(腹横筋・多裂筋・骨盤底筋群・横隔膜)に刺激を入り、腰部の安定性が高まります。また脊柱の柔軟性を高めるエクササイズも多くあるので、腰椎の伸展が強い方には、理想のエクササイズが多くあります。
まとめ
腰椎分離症・腰椎分離すべり症でお悩みの方はぜひ一度ピラティスを体験してみてください。グループレッスンでもマンツーマンレッスンでも構いませんが、オススメはオーダーメイドの指導が出来るマンツーマンが成果も感じやすいです。自分の身体は自分で治す。整体や整骨院に行かれる方も多いと思いますが、痛みが強くて何もできない時は良いですが、自分で動けるようであれば、動かしながら治して行きましょう。
参考文献