インナーユニットとは
インナーユニットは腹腔壁を構成する筋群と定義され、横隔膜・骨盤底筋群・腹横筋・多裂筋が含まれる。身体の深部に存在し、力学的に骨盤や腰椎の安定化に貢献する。
インナーユニットが正しく働かないと尿失禁や便失禁・腰痛や仙腸関節痛の原因となる。
- 腹横筋は胸郭と骨盤の間を取り囲む筋肉で、骨盤と胸郭の位置をコントロールする。
- 多裂筋は背の深層にあり、数個の椎体をまたいで脊椎の安定化に寄与している。
- 横隔膜は胸腔と腹腔をわけ、呼気専門の呼吸筋である。
- 骨盤底筋群はその名の通り、骨盤の底から腹腔を支え、骨盤の安定性に寄与している。また陰部を構成する筋群であり、この筋群の機能低下は尿漏れなどの原因となる。
これらの金の機能が体幹の安定性人は重要であり、我々が姿勢を保持したり、四肢を自由に動かすために欠かせない機能である。
コアコンディショニングとコアセラピーから引用
4つの筋肉
腹横筋
起始:鼠径人体の外側3分の1、腸骨稜の内唇、6つの下位肋骨の軟骨内表面、胸腰筋膜及び横隔膜と互いに噛み合うように一体化
停止:腱膜で終わる
神経支配:第1腰神経(T7〜L1)、腸骨下腹神経(T12〜L1)、腸骨鼠径神経(T12〜L1)
作用:腹部内臓を圧迫
多裂筋
起始:仙骨、上後腸骨棘、腰椎の乳頭突起
停止:起始より上の椎骨棘突起
神経支配:後枝
作用:脊柱局所動作で椎体を安定化させる
横隔膜
起始:剣状突起、肋骨第7〜12の軟骨、腰椎前側、上位腰椎の2つの左脚と3つの右脚
停止:腱中心
神経支配:横隔神経(C3〜C5)
作用:胸腔を拡張する、腹腔を収縮する
骨盤底筋群
深会陰横筋、尿道括約筋、肛門挙筋、尾骨筋の4つをまとめて骨盤底筋群と呼ぶ。
深会陰横筋
起始:坐骨下枝
停止:正中会陰縫線の対立筋
神経支配:陰部神経(S2、S3、S4)の会陰枝
作用:会陰の腱中心を安定化させる
尿道括約筋
起始:会陰体
停止:肛門尾骨靭帯
神経支配:下直腸靭帯(S2〜S4)の枝
作用:排便時に弛緩する
肛門挙筋
起始:内閉鎖筋筋膜に沿って走行する坐骨棘及び腱弓
停止:尾骨及び肛門尾骨縫線
神経支配:仙髄神経(S2〜S4)
作用:骨盤内器官の位置を維持する
尾骨筋
起始:坐骨棘、仙棘靭帯
停止:尾骨、仙骨の外側縁
神経支配:陰部神経(S4〜S5)
作用:分娩及び排便時に尾骨を前方向に引く、骨盤内器官を支える
まとめ
インナーユニットは、腰椎部を守るために前から、後ろから、上から、下から支えている筋群です。不良姿勢が続くと、どれか1つまたは複数の筋群の弱化が見られ、ストレスのバランスが悪くなり、インナーユニット以外の筋肉で支えないと行けなくなります。 インナーユニットを正しく働いてもらうためには、普段からの姿勢をよくする習慣を持ちましょう。
参考書籍
コアコンディショニングとコアセラピー (KSスポーツ医科学書)
- 作者: 平沼憲治,岩崎由純,蒲田和芳
- 出版社/メーカー: 講談社
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- 作者: (財)日本コアコンディショニング協会,平沼憲治,岩崎由純,蒲田和芳
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